エンジニアが英語を勉強しようと思ったら初めに読んでほしい記事
これからの時代は、英語とプログラミングが大事なスキルだと言われていますが、両方とも習得コストが高く、社会人になってから勉強するには相当な意欲が必要ですね。
ただ、現在エンジニアとして仕事をしている方であれば、日々の仕事の中でちょっと意識するだけで、英語を段階的に上達させていく方法があります。
まずは英語が必要になる仕事を4技能でマッピングすると
エンジニアとして仕事をしていて、英語を使う場面や、英語ができたらこれができるのにと思う場面をまとめると、こんな感じではないでしょうか。英語上達のコツは、英語を使う場面を4技能ごとに分けて、リーディング=>ライティング=>リスニング=>スピーキングの順番で注力していくことです。それでは1つ1つの技能ごとにご説明します。
リーディング
- Stack Overflow(英語版)を読む
- 英語のドキュメントを読む
- ライブラリの公式ドキュメントを読む
- READ MEを読む
- エラーメッセージを読む
普段コードを読んだり書いていると、毎日英語に触れることになるので、リーディングはそれほど苦にならない方が多いのではないでしょうか。ただ、つまっているときに英語のドキュメントしか言及されていそうなものが見つからないときは、ピリピリしながら英文を読むことになります。正しく理解できないと前に進めないからです。
そんなときに正しく英文を解読するコツを1つだけ挙げるとすれば、動詞に意識を集中させることです。はい。大学受験の英文読解みたいになってしまいました。ただ、英文が長くて頭が入ってこないときは、とにかく動詞が何かを把握することが重要です。
なぜなら、プログラミングは操作や命令を行うものなので、add、delete、initialize、set up、use、run、set、findなどの動詞がそのまま解決策に当たることが多いためです。困ったら動詞だけを完全に理解する。これを意識してみてください。
ライティング
- Githubでコミットメッセージを書く
- 変数名・メソッド名を命名する
- 海外の技術者にプルリクエストを送る
- 海外のサポートセンターへの問い合わせる
- OSSの海外のコミッターにTwitterで質問する
リーディングはそれほど苦にならないが、ライティングでときどき手がとまってしまうという方は多いのではないでしょうか。社内向けのコミットメッセージや変数名などの命名では、チームメンバーが理解しやすくすることでコミュニケーションコストを下げる努力が必要ですし、社外の技術者やサポートセンターに連絡するときは、相手に失礼にならないようにしなければいけないという心理的ハードルが高いです。
まず、コミットメッセージや変数名などの命名については、Qiitaで人気のある投稿が一番参考になると思います。
特に、
モデルやメソッドに名前を付けるときは英語の品詞に気をつけよう
ネイティブと働いて分かった英語コミットメッセージの頻出動詞10つ
は名作中の名作だと思います。本当にすごいです。
次に、社外の技術者やサポートセンターに連絡するときは、自社や自分の現状を正しく伝えた上で、質問したり依頼をする必要があります。質問や依頼は、5W1Hと動詞を正しく使えればそれほど困らないと思いますが、手元の状況を伝えるのはかなりの英語力が必要です。ただ、調べながら英文を作っている時間もそれほどない。そんなときは、もう英語力から離れてしまいますが、Gyazoを使うのが一番だと思います。
Gyazoでスクリーンショットを相手と共有すれば、誤解が生じる余地がありません。また、一度共有すれば、それを元に相手が英語で確認をしたり追加の質問をしてくれるため、この状況は英語でこのように言うのか、ということを学ぶことができます。これがまさに実践的な英語を身につけるということだと思います。
リスニング
- 技術系カンファレンスで海外の方のプレゼンを翻訳なしで聞く
毎日英語を読み、動詞のパターンがだんだん読めてきて、必要に応じて海外のサポートセンターに問い合わせメールを打ったり、海外の技術者に質問や依頼をしていると、徐々に英語が自分に馴染んでいくような感覚になります。そうしたら、RubyKaigiなどの技術系カンファレンスに参加したときに、積極的に海外の技術者によるセッションに参加してみましょう。
すると、日々読んだり書いたりしている語彙の周辺の英語でスピーチが行われることが多いため、思ったより聞き取れることに感動するのではないでしょうか。リスニングのコツは、たくさん英語を聞いて英語に慣れることなので、100%理解できなくても、カンファレンスなどの機会があるたびに生の英語を聞くことをお勧めします。
スピーキング
- 技術系Meetupで海外の方と会話をする
- 海外のカンファレンスでプレゼンする
さあ、最後の難関のスピーキングです。海外の技術者と会話をしていて、相手が言っていることはだいたい分かる。それに対して言いたいことが日本語で出てくるけど、英語でどう言えばいいか分からない。こうなるのは普通ですので、それに対して落ち込む必要はありません。そんなときに一番大切な心構えは難しいことを言おうとしないことです。
例えば、今日の最後のLTどうだった?と質問されたとします。当然日本語であれば、いろんな感想を表現豊かに伝えることができますが、英語では難しい。よって、多くのことを話そうとせず、簡単な単語を使って端的に返す。それに対する海外の方のリアクションをよく聞いて、それに対してまた端的に返す。それを繰り返せば、立派に会話を盛り上げることができます。
さらに最後の海外のカンファレンスでプレゼンをする、ですが、、これはもうすでに英語ができる方ですね。そこまで到達できるように、毎日の業務の中でリーディング=>ライティング=>リスニング=>スピーキングの順番を意識して英語力を磨いていきましょう!
執筆:オンライン英会話ベストティーチャー 代表取締役社長 宮地俊充
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