「普通にすごい」って英語で何て言う?オクシモロンでワンランク上の英会話術
「普通にすごい」…
「小さな大冒険」…
これらのように、互いに矛盾した語句を接続することにより違和感のある表現をすることを矛盾語法(oxymoron:オクシモロン)といいます。このオクシモロン、日本語であれば難なく操れても、英語となるとお手上げ、という方も多いのではないでしょうか?
本稿では、英語圏で日常的に使われているオクシモロンを学んで、ワンランク上の英会話力を身につけましょう! 英語圏出身のお友達との会話にちょくちょく挟んでいけば、彼らは漏れなくビックリしてしまうかも!?(← これも一種のオクシモロン?)
① be busy ~ing
おそらく英語のネイティブスピーカーたちが最も頻繁に使うのがこの”be busy ~ing.”の形のオクシモロンです。”busy”(忙しい)の後には、それの対義語となるような動詞の現在進行形が入ります。例えば”sleeping”(眠る)や、その他にも”relaxing”(リラックスする)、”doing nothing”(何もしない)などが頻繁に使われます。
A:Why didn’t you come to the class meeting last night?
(どうして昨夜はクラスミーティングに来なかったんだい?)
B:Well, I was busy sleeping then.
(ああ、その時僕は寝るのに忙しかったものでね。)
【例2】
A:You look so bored.
(あなた、とっても暇そうね。)
B:Not at all!! I’m so busy doing nothing!!
(とんでもない!! 僕は何もしないをしていてとっても忙しいんだ!!)
② be ordinarily ~ing
これは日本人にはより馴染みのある表現でしょう。”ordinarily”(普通に)の後には、「すごい」とか「並外れた」という意味の動詞の現在進行形を入れます。
The article was ordinarily astonishing.
(その新聞記事は普通に衝撃的だったよ。)
【例2】
Her dress was ordinarily so impressing.
(彼女のドレス、普通にとっても印象的だったわ。)
上で紹介した「普通にすごい」といった表現の他にも「すごく普通」という表現も人気です。例えばハリーポッターシリーズの登場人物の1人であるルーナのセリフに”Exceptionally ordinary.”(並外れて普通だよ。)というものがあります。これはFacebookで検索すると、その登場人物のファンページにたどり着くことができる程に人気の表現になりました。
(参照)Exceptionally ordinary- Luna Lovegood
③ 複合語としてのオクシモロン
皆さんは、2006年から2010年まで放映されていたアメリアのテレビドラマ、“Ugly Betty”を覚えていらっしゃいますか? もちろんこの”ugly”というのは「醜い」という形容詞です。そして”Betty”というのは主人公の女性の名前ですが、実は英語圏のスラングで「かわいい女の子」という意味があります。男性が女性をナンパする際に”Hi, Betty!!”と言うと「やぁ、そこのかわいい子ちゃん!!」といったノリになります。
つまりこのドラマのタイトルである”Ugly Betty”とは、「醜いかわいい子」という意味が内在しているのです。こんなところにもオクシモロンは隠されているのですね。
このように、英語にはいくつか有名な複合語のオクシモロンがあります。他にもいくつかご紹介しましょう。
・awfully good:ひどく良い
・old news:古いニュース
・open secret:公然の秘密
・only choice:ただ1つの選択肢(選択肢は2つ以上なければ選択肢とはいえないことから)
・jumbo shrimp:大きな小エビ(”shrimp”は小エビを指し、一般的なエビは”prawn”であることから)
この他にもインターネットでちょっと探せばたくさん例を見つけることができます。ぜひご自身でYahoo!でググってみてくださいね!