デッドボールで人は死なない?野球の和製英語特集

和製英語まとめ
2015.08.11

「デッドボール」の意外な勘違い

a basebal

「デッドボールって和製英語なんだよ!」って言葉、たまに聞きます。正解といえば正解だし、間違いといえば間違いです。

実はメジャーリーグのルールブックにも「deadball」という単語は載っていて、以下のように定義されています。
「A dead ball is a ball out of play because of a legally created temporary suspension of play.」

これを訳すと、
「規則によってプレイが一時停止したためにプレイから外されたボールのこと」

気が付いた人もいると思いますが、「デッドボール」とはピッチャーが投げたボールがバッターの体に当たることではありません! なんらかの理由でプレイが一時的に止まり、無効になったボールです。

海外での「デッドボール」の言い回しとは?

a pitcher

日本でいうところの「デッドボール」は海外ではなんと言われるのでしょうか?

・hit by pitch
例:This batter gets many hits by pitch.
訳:このバッターよくデッドボールもらうんだよな。

「HBP」と略されて表示されることも多く、バッターがデッドボールを受けた回数を表します。

・hit batsman
例:He has the least hit batsmen of all time.
訳:歴史上彼が一番デッドボールを出していない。

「HB」と略されて表示されることも多く、ピッチャーがデッドボールを出した回数を表します。

バッター側とピッチャー側からの視点では言葉が変わるのは興味深いですね。

「デッドボール」以外の野球に関する和製英語

キャッチボール:catch
「キャッチボールをする」は「play catch」となります。

アンダースロー/オーバースロー:underhand pitch/ overhand pitch
野球で投げるは英語で「pitch」とも言います。

インコース/アウトコース:inside/ outside
「インコース」は「corner」、「アウトコース」は「away」と言われることもあります。

フォアボール:walk, base on balls, free pass、Annie Oakley
上記の通り、「フォアボール」は「free pass」とも呼ばれています。当時、映画館の紙でできたフリーパス(free pass)には穴が開けられていていました。そこで、投げたトランプに銃で穴をあけてしまうことで知られていた、名狙撃手Annie Oakley(アニー オークレー)の名前が「フォアボール」にも使われるようになりました。

タッチアウト:tag out
名詞にも動詞にもなります。

ゴロ:ground ball
これは結構有名かも? 「ゴロ」を本気で英語だと思う人はあまりいませんよね。

セーフティーバント:drag bunt
「bunt」で「バントする」という動詞にもなります。

ランニングホームラン:inside-the-park-homer
よく考えたら「ランニングホームラン」をそのまま英語にしたら、「running home run」と「run」が2回出てきて変ですね。

クリーンアップ:the heart of the team’s batting order
単語という感じではないですね。日本で「クリーンアップ」は3~5番打者を指しますが、アメリカの「cleanup hitter」という単語は4番打者のみを指します。

日本の野球は独自の発展を遂げてきたと言われていて、今回紹介している、海外では使われていないような和製英語が至るところで使われています。海外で野球を見るときまでにある程度の野球用語(英語)はマスターしておきましょう。

【番外編】戦時中の野球用語

baseball

戦時中は英語は敵性語として使用が禁止されていました。なので、皆どうにか言葉を当てはめて野球をしていたそうです。その当時の、完全に日本語による野球用語を見てみると面白いので紹介します。

プレーヤー:戦士
かっこいい、、もうバットは刀ですね。

グローブ・ミット:手袋
全然しっくりきません。ちょっとダサイかも。

セーフ:安全
「safe」ですものね。

アウト:無為(ぶい)
これ、今回で1番よくわかりませんでした。本当に思いつかなかったんでしょうね。

ストライク:正球・よし
「よし1本、よし2本、よし3本」とカウントしていたそうです。

ボール:悪球・駄目
もし現代で野球をしていて「ダメ!」と言われたらちょっとビックリしてしまいますよね。

三振:それまで
上のやつと合わせると三振で「それまで、戦士無為!」ですかね。

アウト:ひけ
「アウト」の方がまだ聞こえが優しいような気がします。

フォアボール:4つ
「ボール」という単語は作らなかったそうで、数字だけを「◯つ」と言っていたそうです。

ファール:圏外
携帯電話以外に「圏外」を使うのは初めて知りました。でも意味合い的には間違いない。

今回はあまりしっくりこないものを選んでみました。他にも戦時中に使われていた日本語の野球用語があるので、調べてみてください。

 

いかがだったでしょうか? 日本の野球はWBCも優勝して強いので見ごたえあります。海外で使われている用語を知って、外国人と野球談義に花をさかせましょう。

 

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